気に入ったホームページを友人に教える方法がメールかメモ用紙しかなかった頃、当時は1日に数件も共有していなかったはずだ。しかしそれも今は昔。2011年初頭のFacebookでは20分あたり100万件のリンクが共有されたという。社会心理学的に人は他者と強い感情を共有することでの精神的な結びつきを醸成しているというから、「共有」が人を動かす力にも納得できるだろう。
だが、私たちが共有したいのはニュースなど事実情報ばかりではない。大きな要素としてあるのが体験の共有だ。
こうした体験共有をオンラインで演出する要素として、しばしばアバターが使われている。例えば、アバターとなって友人と集まり、オンライン上で動画コンテンツを楽しむスタイルはセカンドライフやマイクロソフトのXBOX Live、モバゲーのピコピコ動画などですでに行われている。ユーザーは動画の感想や反応をアバターが集う「同じ場」で共有することができる。ただ、従来の動画共有アバターコミュニケーションサービスは基本的にリアルタイムに集うものであるため、同じ時間に(同期して)視聴しなければいけないという制約があった。
そうした中、8月にローンチした「ドタバター」はこの時間的制約を取り払うことで別の時間帯に視聴したユーザー間でも視聴体験を共有できるのが特徴だ。その感覚はニコニコ動画のそれに近い。(ドタバターには弊社も関わっている)
視覚的に感情を揺さぶる動画コンテンツと、同じく視覚的にアイデンティティを表現できるアバター。両者の組み合わせで動画の新たな楽しみ方が生まれそうだ。
(本記事は「東京IT新聞」に寄稿させていただいた記事の元原稿です。許可を得てアーカイブとして本誌掲載の1週間後を目処に掲載しています。本誌は画像付きですが、こちらはテキストのみの掲載になります。)
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