子供の頃、親に「次のテストで100点とったら○○買ってあげるよ」と言われて、「ご褒美」を目当てに頑張って勉強した人もいるのではないだろうか。大抵はご褒美よりも「罰」のほうが多かったような気もするが、それでも課題解決に対する「おまけ」の効果は決して小さくないことがわかるだろう。
こうした一般的なプロセスに「目的達成に向けたモチベーションを作り出す仕組み」としてゲーム要素を組み込むことを「ゲーミフィケーション」という。「ゲーム化」ともいわれるが、いわゆるビデオゲームを思い浮かべると理解しにくいかもしれない。似た手法に「シリアスゲーム」もあるが、シリアスゲームはゲームという枠の中に様々な実用的知識などを取り込むのに対し、ゲーミフィケーションは逆に既存サービスの枠にゲームの手法を取り入れるものだ。
これは最近ではソーシャルコミュニケーションサービスによくみられる。典型的なものはアクションを起こすことでポイントがもらえるというものだ。が、単に数字が増えていくだけでは継続的な動機付けにはなりにくい。
これを解決する手法の一つがご褒美をもらうシンボルとしてアバターだ。例えば以前紹介したTurntable.fmではポイントによって自分のアバターをグレードアップできるようになっている。
アバターで成果を可視化して他のユーザーと共有することで、ユーザーは達成感を得やすくなり、サービス提供者はストーリー展開のバリエーションを作りやすくなる。文字よりも視覚的に認識しやすいアバターはゲーミフィケーションに重要な要素のひとつとなりそうだ。
(本記事は「東京IT新聞」に寄稿させていただいた記事の元原稿です。許可を得てアーカイブとして本誌掲載の1週間後を目処に掲載しています。本誌は画像付きですが、こちらはテキストのみの掲載になります。)
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