グーグルはいわゆるソーシャルサービスが苦手といわれることが多い。SNS分野でも「orkut」を2004年と早期に始めたが、同社の規模からすれば大きな成功を収めたとは言いがたい。ご存知の通り、その他ほとんどすべての国や地域は同じく2004年にスタートしたFacebookの手の内だ。

 アバターコミュニケーションサービスでも似たことがあった。グーグルがかつて「Lively」というアバターコミュニケーションサービスを行っていたことを覚えているだろうか。2008年の7月から約半年で終了という、あまりにも短命なサービスだったが、機能はしっかりしていた。だが、それだけではユーザーを惹きつけるには至らなかったのだ。それでも「ストリートビュー」や「Google Earth」にLivelyが組み込まれて世界中どこでもアバターで集い、コミュニケーションできるようになるのではないか、とほのかに期待していたのだが、残念ながら実現することはなかった。

 それを別の形で実現したのがオープンβテスト中の「Blue Mars Lite」だ。ストリートビュー上にアバターが表示され、オンラインで集い、動きまわることができる。遠くに行けばアバターが小さくなるなど存在感もある。現在は実際の場所を見ながらコミュニケーションできる特徴を生かし、ハワイの観光案内などが実験的に行われている。遠隔地から複数人で旅行予定を立てるのにいいかもしれない。スマートフォンに対応すれば位置情報との連動なども考えられそうだ。

(本記事は「東京IT新聞」に寄稿させていただいた記事の元原稿です。許可を得てアーカイブとして本誌掲載の1週間後を目処に掲載しています。本誌は画像付きですが、こちらはテキストのみの掲載になります。)

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