11月 012011
先頃、アメリカ・サンフランシスコで開催された「TechCrunch Disrupt 2011」でバーチャルバー「Shaker」が優勝した。「TechCrunch Disrupt」はテクノロジー系Webメディアの「TechCrunch」が主催するスタートアップのコンテストで、毎回興味深いサービスが登場する。今回優勝した「Shaker」はFacebookアプリとして提供されるサービスで、このサービスにアクセスするとユーザーがバーチャルなバーの中にアバターとして出現し、散策しながらそこにいる他のユーザーとチャットしたり、ダンスしたり、といったコミュニケーションができる。自分と共通な興味を持っていそうなユーザーもわかるので、新たな友人を見つけられるかもしれない。
セカンドライフで注目されたアバターでのリアルタイムコミュニケーションは、リアルタイムであることの制約を越えるメリットを多くの人に提示することが難しく、いったんは非リアルタイムなコミュニケーションにシフトしていた。しかし、Twitterをはじめとして「リアルタイム」であることによる即時性や、コミュニケーション体験のメリットが広く認識されている。
調査会社のガートナーによれば、テクノロジーの普及の流れを示す「ハイプサイクル」の中でこうしたバーチャルワールドは失望の谷底から緩やかに登る坂の手前に位置しているという。現在本格オープンに向け準備中の「Shaker」はその坂を登ることができるか注目したい。
(本記事は「東京IT新聞」に寄稿させていただいた記事の元原稿です。許可を得てアーカイブとして本誌掲載の1週間後を目処に掲載しています。本誌は画像付きですが、こちらはテキストのみの掲載になります。)
最新コメント