日本でも「ゲーミフィケーション」という用語が聞かれるようになって久しい。この9月にはゲーミフィケーション情報サイトを運営する株式会社ゆめみ代表取締役の深田浩嗣氏が著した書籍が発刊され、続く10月にはゲーミフィケーションという概念を広めた立役者でもあるジェイン・マクゴニガル氏の翻訳本も発刊された。マクゴニガル氏はすでにゲームの手法を活用して世界の問題を解決するARG(代替現実ゲーム)「EVOKE」を2010年に発表しており、実際にこの活動を通じてアフリカに図書館を作ることができたという。オンラインサービスに対する活用もメジャーリーグベースボール公式サイトの事例など次第に増えてきた。これに伴って興味を持つ人も増え始め、イベントなどで話される機会も多くなっている。

 ただ「ゲーミフィケーション」という用語から受けるイメージのわかりにくさのためか、その割に知名度はあまり高くないようにも感じられる。

 しかし、スタンプカードのような単純なものなど、目的に向かうモチベーションを生み出す仕組みはすでに様々な場面で導入されている。最近では月面探査の賞金レースに参加するチームが「ルナマイレージ」というポイントを発行し、これを溜めたサポーターオリジナル特典に応募できるという試みを始めた。挑戦するプロセスをコンテンツ化し、楽しみながらサポートしていけるというものだ。同様の試みは前述のEVOKEのように社会的な課題にも応用できる。まずはゲーミフィケーションの誤解を正し、デザイン手法として捉えなおすことが肝心といえそうだ。

(本記事は「東京IT新聞」に寄稿させていただいた記事の元原稿です。許可を得てアーカイブとして本誌掲載の1週間後を目処に掲載しています。本誌は画像付きですが、こちらはテキストのみの掲載になります。)

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