発売日にニンテンドー3DSを手に入れてからというもの、友人との集まりなどがあるごとに持ち歩いては写真を撮っている。当時は新製品ということでの注目度もあったが、もっとも驚きの声が大きくなるのは、決まってその場で撮った3D写真を見せた時だ。皆、赤青メガネの3Dは幼い頃に経験し、3D映画は全員が見たことがある。3D写真に触れることは初めてではないが、それでも自分が写ったの3D写真は特別らしい。その後は大抵モノを持って3DSの前に突き出したポーズをとり、3D感をさらに確認している。
3D映像表現をマーケティングに活用する例は3Dテレビや3D映画が話題になり始めた頃から出始めた。もちろん、その多くは3Dテレビなど3Dを売りにした商品自体を対象としたものが多いが、実験的なところでは朝日新聞東京本社版が2011年正月に紙面掲載した3D特集「日本一ものがたり」がある。各家庭に配布された専用メガネをかけて紙面を見ると記事の写真や広告の一部が立体的に見えるというものだ。2011年3月末まで毎週日曜日に3D特集が掲載されている。実際に見てみたがそれなりにインパクトがあり、たしかに面白い。だが、正直にいえば、あえてそれを何度も見たいとは思わないのも確かだ。
3D映像であるということだけではユーザーに印象づけることは難しい。しかし、そこにユーザーが関与できるとすれば様々なことが考えられるだろう。利用するデバイスは3Dカメラでなくてもいい。2Dカメラと3Dデータを組み合わせることでも同様の体験は演出できるのではないだろうか。
(本記事は「東京IT新聞」に寄稿させていただいた記事の元原稿です。許可を得てアーカイブとして本誌掲載の1週間後を目処に掲載しています。本誌は画像付きですが、こちらはテキストのみの掲載になります。)
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