「QRコードの悪用」が懸念されているという。
2008年にはこんな事件があったそうだ。
08年5月にQRコードを悪用して売春サイトに客を誘導していた東京都の業者が逮捕されている。この業者はQRコードを記載した小冊子を電柱などに貼り付けていた。小冊子には簡単な情報だけを載せて、売春とすぐにはわからないようにしていた。QRコードを介してアクセスしたサイトに詳細な情報を載せることで、客を集めていたという。
via リアルからネットに誘導 駐車違反ビラやQRコードを悪用 セキュリティー-最新ニュース:IT-PLUS
うーん・・・これって「QRコードの悪用」なんだろうか・・・。
単にリンク先で悪さしていたというだけでは・・・?
これがQRコードの悪用になるなら、URLとして使われたドメイン名の「悪用」とも、事務所を持っているなら住所の「悪用」ともいえるということだろうか?確かに悪用には違いないのだけど、取り立てて「QRコードの悪用」ということではないような。そうした情報の伝達手段に注目するならば、むしろインターネットの悪用といったほうがいいかもしれない。
でもそれでは面白くないし、「QRコード」のほうが新しい現象に聞こえるからピックアップしてみたようにも思える。
一方で、この記事の前半にある、米ノースダコタ州の偽モノの駐車違反の警告ビラを使った例は、悪用の意味合いも比較的納得できる。実際に貼ってあったら確かにドキッとするだろうし、「対応しなければならない」という気持ちをうまくとらえてURLにアクセスさせることもできるだろう。形を持つものではないが、「環境がそこに生活する有機体に対して与える意味」という点において、「車に貼られた警告ビラ」という「環境」が車の持ち主に対して、なんらかの行動を起こす意味を与えている。アフォーダンスの一種といえるかもしれない。
そこで、はたと思う。
ということは、QRコードが「アクセスする」という行為をアフォードしていると考えれば、「その力を悪用している」という言い方ができるのではないか。
これならなんとなく納得できるような気もするが、やはり人は「アクセスできる」という意味を受け取っただけであって、「アクセスしよう」という動機付けにはまだ距離があるように思う。これは「URL」の文字列と同程度の意味しかないのではないか。
だとすると、QRコードを「悪用」する余地は、URLと違い、見ただけではどういったドメイン名が含まれているかわからないという特徴にあるかもしれない。
ただ、これも記事中にある「街頭広告のQRコードの上に、偽造したQRコードを貼り付けて、詐欺サイトに誘導するといったケース」ならURLがわからないことが悪用上のメリットになるが、そうした「正しいURL」が存在しない先の事件のケースなどではあまり意味はない。もともと知らないはずのURLなのだから、URLをそのまま書いてあっても一向に構わない。
とすると残るはひとつ。
URLを手で入力しなくてもいい
という点のみだろうか・・・。
確かに、手で入力するよりはアクセスする人は増えるかもしれないが、そうした人は「QRコードだから」アクセスしたというよりも、アクセスするべくしてアクセスするのだから、やはり「QRコードの悪用」というのは違和感が残る。
どうでもいいことなのだけど、「リアルからネットに誘導」という言葉がなんか魅力的過ぎていろいろ考えてしまった・・・。
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実はこのサイトはケータイからもアクセスできるので、見てみてください。
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