学校の理科室といえば人体模型だが、実際に人体模型を使った授業を受けた人は案外少ないのではないだろうか。人体模型は体内の臓器の位置を立体的に把握するにはよい教材だ。しかし場所をとって大掛かりな割には利用方法のバリエーションが少ないように思う。例えば、こうした人体模型から人間の体の「動き」と骨格や筋肉の関係を知ることは難しい。それはデジタルになっても言える。従来の人体模型やそれを拡張して筋肉や神経の構造を3Dで観ることができるサービスはArgosy Publishingの「Visible Body」など、医療関係者も利用するほどクオリティが高いものも含めいくつかあった。しかし、それでもやはり「動き」まではカバーできていない。
先頃に公開された「TEAMLAB BODY(ベータ版)」は3D表現によって動きをシミュレーションすることで、これまでの模型では難しかった情報の提供が可能になっている。提供元のTEAMLAB BODY株式会社は独創的なサービスと技術力が特徴のチームラボ株式会社と大阪大学の菅本一臣教授によって共同で設立された。「TEAMLAB BODY(ベータ版)」は人体の全身の筋肉・神経・血管・骨・関節を3Dで観察できるだけでなく、関節の動きや筋肉の収縮の様子なども3Dで様々な視点から観察することができる。動きは滑らかですべての関節をいっぺんに動かすと気味が悪いくらいだ。3Dの表現にはゲームエンジン「Unity」のウェブブラウザー向けプレーヤー「Unity Web Player」を利用している。
人体模型好きにはたまらないサイトかもしれない。
(本記事は「東京IT新聞」に寄稿させていただいた記事の元原稿です。許可を得てアーカイブとして本誌掲載の1週間後を目処に掲載しています。本誌は画像付きですが、こちらはテキストのみの掲載になります。)
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