18日は朝から米Groupon社によるQ:pod買収のニュースがIT業界界隈を駆け巡りました。
Q:podはこの春から急激に数を増やした国内のいわゆる「グルーポン系サービス」の1社です。ニュースはQ:podを、クーポン共同購入サービスの最大手である米Groupon社がQ:podの第三者割当増資を引き受ける形で買収したというものでした。
■米GrouponがQ:pod 買収でGroupon Japan立ち上げを正式発表【湯川】
これを受けてQ:podはブランドもサイトデザインも今後Grouponに合わせていくそうで、すでにサイトでもタイトルの下に「by Groupon」の文字が見えます。
ローカルビジネスが主なターゲットと思われているグルーポン系サービスですが、提供元とユーザー、それぞれのベースが広い地域に渡ることで新たなマッチング方法が考えられます。例えば、(パーソナライズは進んでいるにせよ、)従来はユーザーの居住地に強く紐づいていたディール情報も、ユーザーの移動先に紐付けて提供することが行ないやすくなります。Facebookなどで共有されたユーザーの参加予定イベント情報や旅の予定から、その日その地域で使えるクーポンを提示する、といった形です。もちろん、人の移動を把握できれば交通手段のディールも扱えるわけで、地域を広げるのは単なる規模以外のメリットもあるように思います。
会社の同僚と話していたんですが、日本のお店を海外に紹介する方法としても使えそうです。
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振り返れば国内初のクーポン共同購入サービス「Piku(ピク)」がサービスを開始したのが2010年4月20日。翌月にはKAUPON(カウポン)がスタート。その後、国内共同購入サービスの老舗であるネットプライスとデジタルガレージが組んでQpon(キューポン)を開始した後は、それこそ雨後の筍の如く、多くのクーポン共同購入サービスがでてきました。オールジャンルのサービス以外にも水商売系や肉系など、対象を絞ったものが出てきています。
ちなみに以下はちょうどQponがでる頃に書いた東京IT新聞掲載のコラムです。
■ECサービスは温故知新 新旧手法で次の成長を狙う(東京IT新聞)
で、
この頃は単に「フラッシュマーケティング」という形で紹介していたこのジャンルですが、他にも「ソーシャルコマース」「クーポン共同購入サービス」など、ビジネスモデルのどういったポイントを強調するかによって微妙に表現が変わっていた気がします。そして、そういった特徴を示すことなく、ただ漠然と「例のアレ」というニュアンスで使われていたのが「グルーポン系」という言葉でした。
が、本家Grouponが日本上陸を果たし、今後は「グルーポン系」という表現は使いにくくなってくると思います。一般消費者からパクリと思われるのは好ましくないでしょうし。(まあ、パクリなんですがw)
ではなんと呼ぶかなんですが、なんですかね。やっぱり「クーポン共同購入サービス」あたりに落ち着くんでしょうか。でも、多くはクーポンという形で提供していますが、これにも「割引」という余計なイメージが付いているのが気になります。このイメージがグルーポン系サービスを導入する店舗側の長期的なメリットを描きにくくしていると考えています。
まったくもって冗長ですが、自分的には「フラッシュマーケティングの手法を使ったソーシャルコマース」という表現が一番しっくりきます。それにこれであれば、割引による消耗戦のイメージもなく、「クーポン」とは別の用途も考えられそうです。というか、クーポンというのはあくまでそうした手法で実現できる一形態でしかないと考えています。
この概念にきちんとした名前をつけるまでにはもう少し時間がかかるかもしれませんが、使い道は色々と考えていきたいですね。
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