3Dプリンターが安くなってきた。
アメリカでは工作ブームを背景にDIY好きなユーザーをサポートする企業が業績を伸ばしている。安価な3Dプリンターを販売するMakerbot Industries社もそのひとつだ。3Dプリンターは少し前は安くても数百万円したものだが、Makerbotの3Dプリンターはキットであれば1,300ドル(約10万円強)くらいから購入することができる。この春にはより手軽に利用できる製品も発売され、マニア向けから徐々に一般向けへ近づいてきた。「家庭用」を銘打った3Dプリンターの登場も近いかもしれない。
だが、価格的には家庭用に近くなったとはいえ、そもそも家庭で3Dプリンターを使うことはあるのだろうか。
結局はユーザー次第といえそうだが、すでに3Dプリンターの「オリジナルな1点モノ」を手軽に作れるという特徴を活かした多くの試みが存在する。例えば先日マサチューセッツ工科大学の研究チームが発表した「その時必要なロボット」を印刷するプロジェクトなどがある。ロボットほどではなくても、部屋の掃除の途中で隙間掃除のためのアタッチメントが必要になった時や、カーテンを付けるパーツが1個だけ足りない時、などに活用できそうだ。子供がいる家庭ならば誕生日会の飾りや日常的な工作遊びなど、のりやハサミと同様に使われることも考えられる。最近ではチョコレートを3D印刷するものも商用化されてきた。
思えば、2Dのプリンターも年賀状作成や写真印刷など家庭での活躍機会は限られている。用途が広がる分、3Dプリンターのほうが活躍の余地は大きいのかもしれない。
(本記事は「東京IT新聞」に寄稿させていただいた記事の元原稿です。許可を得てアーカイブとして本誌掲載の1週間後を目処に掲載しています。本誌は画像付きですが、こちらはテキストのみの掲載になります。)
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