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朝日新聞社がオカシイ。いや、いい意味で。

20009年6月8日、朝日新聞社がTwitterに公式アカウントを開設した。アカウントの自己紹介欄には「朝日新聞社の公式アカウントです。各種速報やニュースをお届けする予定です。」とある。当初はよくあるメディアの公式アカウントと同じくニュースの更新情報が流れてくるようなものなのだろうと思われた。

そのためか、Twitterサイトにバナーが掲出されている割にフォロワー数の初速は鈍く、僕がフォローしたときも100とか200とかいうレベルだったように思う。僕も最初はそういうアカウントを想像していて、更新情報がウザくなったらリムーブしようと思っていたのだ。

そう、あの事件が起こるまでは。

予兆はあった。
それは2通目のポストに感じた、ある違和感だ。

こんにちは、今回の試合担当のマッキーです! あさって、日産スタジアムで日本を応援します。アサヒ・コムでは、試合前の様子をフォトギャラリーでもお届けする予定です。みんなで日本を応援しましょう! ではでは、これから新人歓迎会に行ってきまーす。(via http://twitter.com/asahi/status/2074574874)

前半はいい。普通だ。しかし、最後の一文は明らかにこれまでのメディアの公式アカウントの作法とは異なっていて、生々しい。

そして6月10日、サッカーワールドカップ南アフリカ大会予選「日本vsカタール」戦で「事件」は起こった。

まず、日産スタジアムに到着しての第一報。

新横浜に着きましたー 既にちらほらとサポーターの姿が…(via http://twitter.com/asahi/status/2099826252)

どうみても応援に来た一般サポーターのつぶやきだろw
その後も自由すぎる発言でフォロワーを引きつけて離さない。

Jリーグのブースで、数量限定で芝生の種を配っているみたい。呼び込みの人が、「食べられません」ってアナウンスしています。(笑)私も欲しいな。(via http://twitter.com/asahi/status/2100481543)

芝生の種もらってどうすんだよwとか、

現地は、かなり厚い雲に覆われていて、湿度も高め。仕事中だけど、さっぱりしたくて「かき氷」たべました。もちろんシロップの色は、「ブルーハワイ」!!(via http://twitter.com/asahi/status/2100513201)

食うなwというか「もちろん」の意味がわかんねーよw、とか、
挙句の果てに、

会場、盛り上がってきています。でも、写真あまり撮れていません。どうしよう(T_T)(via http://twitter.com/asahi/status/2100725883)

仕事しろwww

そして、皆が「これはまさか・・・」と思い始めた【前半終了時】にそれは起こった。

1-0で試合終了。マッチボールはあたりませんでしたー 毎回楽しみにしてるのにな(via http://twitter.com/asahi/status/2102125126)

終わらせちゃったよ!w

ドジっ子確定。本人もすぐ「あ、試合終了じゃなかったですね。すみません」と訂正したが、それにしてもこのゆるさ、最高だ。

そしてマッキーはかなりの松井ファンであるらしく「松井、早く出てくれないかなぁ・・・」とつぶやいたのを皮切りに、控え選手が動き始めると「松井かな?松井かな?えへへ」とそわそわし始め、「お、松井が出てきましたね。試合の流れが変わること間違いなしですっ」とエールを送り、「なんか松井がさっきからよく動いてる!あ、ちょっと雨が降ってきたみたいです」と、もはやマッキーはボールすら追っていないんじゃないかくらいの松井押しで僕らを嫉妬の渦に巻き込んでいく。

と、そのほかにも突っ込まずにはいられないポストのオンパレード。このまま行くと全部引用しそうなので、あとは@asahiタンのログを見てほしい。

そもそもこの試み、朝日新聞社によれば「実験的に始めた。どれくらいの反応があるか検証している段階」ということらしい。6月10日18時の時点で1800以上のフォローがあったようだが、6月11日0時16分現在は4018まで伸びている。「@asahi」での検索結果を見ても、反応のすさまじさがわかる。

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最後にもう一度、アカウントの自己紹介欄を読んでみよう。

「朝日新聞社の公式アカウントです。各種速報やニュースをお届けする予定です。」

はっきり言おう。明らかにそんな枠には収まっていないw

しかし、考えてみれば自己紹介欄が普通だったからこそよかったのかもしれない。仮に「ドジっ子マッキーがおもしろ情報を送っちゃうよ!応援してね(はぁと)」とかだったらどうだろう。なんかムカつかないだろうか。メディアとしてオーソドックスな枠組みがあったからこそ、自由さが強調されたのだし、親近感を持ったように感じる。

ひょっとしたらキャラ設定も含めて釣りなのかもしれない。でも釣りでもいいと思っている。そうであれば演出しきったことがすばらしいのだ。いずれにしても朝日新聞社のTwitter公式アカウントは「羊頭狗肉」ならぬ「狗頭羊肉」という稀有な存在になった。

あとはこの勢い(?)を維持できるかどうか。一部には「@asahi」アカウントをめぐる話題も出てきており、しばらくは目が離せそうにない。生温かく見守りたい。

ちなみに筆者のTwitterアカウントは↓こちら。
http://twitter.com/hakoda

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