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以前のエントリー「真っ暗闇のエンターテイメント「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」予約した」で書いた「ダイアログ・イン・ザ・ダーク(DID)」に行ってきた。

今回のDID東京公演には3コースあるらしく日程表をみるとAコース(大人4000円)、Bコース(大人6000円)、Cコース(大人8000円)と値段もちがう。僕はたまたま行ける日であいてたのがBコースだった。いったい何が違うんだろう…?

そんな感じで、当日は道に迷いそうになりながらもどうにか会場に着いた。
会場は外苑前からそこそこ歩いたところにあるビルの地下。コンセプチュアルなイベントなので、もっと適当な(失礼)作りかと思っていたら、なんかちゃんと会場が作られていてびっくりした。

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早速受け付け、チケットには参加者の名前も記されていて名前を確認できるものの提示を求められる。代わりに参加する場合はどうなるんだろうか。気になる。

そして、暗闇でモノを落としたり、不意に携帯が鳴ったりしないように荷物と小物は全部ロッカーに。ロッカーは100円で最後に戻ってくるタイプのもの。鍵をなくしたら元も子もないのでしっかり保管しましょう。

しばらく待っている間にパンフレットを読んだり、待合ロビーにあった巨大JENGAで遊ぶ。…が、たぶんJENGAは遊ぶ用ではない。

そうこうすると時間が来て呼ばれる。参加者は7人。もう一人いるはずがこなかったらしい。もったいない。

ダイアログ・イン・ザ・ダーク

■■■■■■■■ 注意! ■■■■■■■■
ここから先はネタばれを含む可能性があります。
参加を検討している方は、先入観なく、より素晴らしい体験を得るために
読まないことをお勧めします。
■■■■■■■■ 注意! ■■■■■■■■

会場に入る前に視覚障害者の方が使っているような白い杖を選ぶ。床から腹と胸の間くらいの長さがちょうどいいそうな。ちょうどいいのを一発で引き当てて、薄暗い部屋に入る。そこでは杖の使い方などを習う。杖は上からこぶし2つ分くらい下を鉛筆を持つように握るらしい。肩幅にトントンと振りながら前方の様子を探る。しばし練習。

目が慣れたところで、もう一段暗い部屋に。するとそこに本日暗闇で案内をしてくれるガイドさんが。ガイドさんは視覚障害者の方が務める。ひとしきり説明があった後、スイッチが切られ、光がなくなった。

あたりは真っ暗闇に。

真っ暗闇では声が重要になる。説明でも、みんなで声をかけたり、見つけたものを教えあったりしながら進んでいくといいとのことだった。すると、ガイドさんが一言。

「では声を覚えるためにも自己紹介しましょう。こちらのかたからどうぞ」

そこでいきなりいつもと違う感覚がした。

(こちらって・・・どちらだ・・・!?)

普段なら視線でなんとなくわかることがここではまったくわからない。しばしの沈黙の後、おそらく一番近くにいるであろう人が名前を告げる。さて、次の人は?

・・・また静寂が・・・。

そう、いきなり真っ暗にされたので、自分が何番目なのかが皆目わからないのだ。おそらく明るい場所での自己紹介の1.5倍はかかって紹介終了。

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自己紹介の様子(画像はイメージです)

さあ、本番だ。ガイドさんと杖を頼りに本当の暗闇に入っていく。

中はもう本当に真っ暗。さっきは真っ暗といいつつも壁のスイッチが光っていたが、今度はなにもない。

そして動きにくい。

あたりまえだが、何も見えないというのは実に不安だ。おずおずという感じが自分でもわかる。というか、まわりがすべて真っ黒な壁に囲まれているような気がした。「闇に包まれる」というのは比喩だと思っていたが、この感覚はまさに「包まれている」という表現が正しい。最初は入り口からどの方向にどれくらい歩いたか把握しようとしたが、それは無理な話だった。

ただ、入った瞬間から木と土のにおいは感じた。ゆっくりと手を伸ばすと葉に手が触れた。ゆっくりゆっくり、進みながら探検を進める。他のメンバーもそんな感じだ。

しかし、そんな中でもガイドさんはグループのメンバーみんなに気を配り、声をかけながら動き回っている。すごい。このガイドさんは後半にもすごい技を見せてくれた。いや、暗くて見えないので「見せてくれた」はちょっと違うが。

というわけで、その後はちょっと端折る。

水場の発見、丸太橋、おじいちゃん家の縁側、ちゃぶ台、その上にあったいろいろ、ブランコ、自転車、そして暗闇バー。次々と新しい体験と発見があった。
特に「ちゃぶ台」を機にみんな急激にリラックスしていったのがわかった。やはり、懐かしい、知っているものは安心するのだろうか。

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ちゃぶ台を囲んでくつろぐメンバーたち(画像はイメージです)

最後の暗闇バーでは真っ暗闇でビールを注ぐガイドさんにびっくりしたり、暗闇でグラスを洗う店員さんにびっくりしたりした。そしてグループみんなで冒険の無事を祝して暗闇で乾杯したのだが、距離が測れなくてかなり強くぶつけてしまった・・・。

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暗闇バーで乾杯!(画像はイメージです)

そんなDIDだが、本当に楽しかった。見えないことで不安な気持ちから、他の感覚が開放されることで、次第に音やにおいや触った感じで見ているような感覚が生まれてくるのがおもしろい。視覚は身体感覚の83%を占めているというから、残りの17%で「見た」ということになるのかもしれない。ちなみに、暗闇でも目は開けていた。つぶっていても同じ感覚になるのか、機会があったら試してみたい。

それと、暗闇で初対面の人の手をとって水場を教えてあげたり、ちゃぶ台を囲んでモノを当てっこしたり、ブランコの乗り方を教えあったり、この体験を通してすごくオープンになれたのがびっくりした。見えないことがどう影響したのかはわからないけれども、互いに頼りにして助け合っている感じだった。

さて、そうなると今度はAコースやCコースがどんなコースなのか知りたくなる…。AコースはBコースのサブセットかもしれないので、もしまた行くならCコースかな…。

ダイアログ・イン・ザ・ダーク

  One Response to “身体感覚の17%を総動員して体験するエンターテイメント「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」(Bコース)”

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