あのティファニーが編纂したテーブルマナー集。着席からデザートまでわかりやすく解説されており、とてもためになる。といっても堅苦しい感じはまったくなく、各ページにはイラストにユーモアも交えた説明が添えられる形ですらっと読めるのがいい。ページ数も100ページほど。
そして驚くのはこのテーブルマナー集が発行された年。初版はなんと1969年だという。それでも上品で気取らず、おしゃれな雰囲気を失わないこのイラストのテイストは個人的にもかなり好きだ。
ただ、説明文のほうはさすがにちょっと古さ、というか、セピア色がかったものを感じる...。それがまたいい味を出してはいるのだが。
例えば、巻末のほうにあるパーティーでの過ごし方について。
右隣の女性が向こうを向いて話し始めてしまった時に、左隣の女性をこちらに振り向かせるために「こんな言葉をかけてみては?」と提案している。
「そちらの素敵なかたにおさらばして、ちょっとこちらにも耳を貸してください」
・・・たぶんこちらがおさらばされるだろう。
巻末の言葉はマナーのなんたるかを示しているようで印象に残った。
「これで作法の心得がわかりましたから、作法を破ることができます。しかし、作法を破るには、十分社交知識の心得がいることを忘れないでください。」
マナーを知らずに破ることと、知って破ることは違う。前者がただの無知であるのに対し、後者はアレンジであり、オリジナリティや柔軟であることにつながる。これはマナー以外の様々な手法にもいえることだ。「テーブルマナーは堅苦しい」と考える人も、せめてそれを知ることだけはしたほうがいい。
ところで、僕が一番印象に残ったマナーはアスパラガスの食べ方。あまり長くなければ手でつまんで食べるのだそうだ。知らなかった...。長い場合はナイフで切って先のほうをフォークで食べた後、そのままフォークで食べるのかと思いきや、茎はやはり手で食べるのだという。
いやはや、奥が深い・・・のか?
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