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先週、入場規制がかかるほどの混雑ぶりにあきらめた「第12回文化庁メディア芸術祭」に最終日直前にやっと行ってきた。
先週は午後に行って失敗したので今週は朝10時過ぎに到着。最終日直前だし、朝からでも結構きついかなあ、と思っていたら…。

※日本語キーボードを使っている方へ
感想はお使いのキーボードに書いておきました。「U」のキーからキーに記載されている仮名を左に読んでいってください。

さて、そんなわけで既に終了してしまったメディア芸術祭だが気になった展示についてご紹介。

■「toushed echo(タッチト エコー)」/Markus KISON

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ドレスデンを見下ろす高台の鉄柵に肘を付き、手のひらを耳に押し当てると飛行機の飛来する音や爆発音が聞こえてくる。鉄柵の上のプレートには「13.2.1945」の刻印が。そう、聞こえてくる音は爆撃の音だ。1945年2月13日に米英軍がドレスデンで無差別爆撃を行ったという。当時の人々は爆音から耳を守るために、この作品を聴くのと同じように耳を塞いだのだという。
爆音から耳を守るための「耳を塞ぐ」という行為が、この作品では爆音を聴くための行為となる。同じ身体的行為を通して時代の記憶と繋がるという感覚が興味深かった。その一方で行為の意味するところが正反対であるというのも面白い。
なにより薄れゆく時代の記憶を体験によって再強化するというひとつの手法として有効だと思う。実際、僕も日付と場所を覚えてしまった。
■「Standard Time」/Mark FORMANEK

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屋外で作業員風の男たちが木材で何かを作り続けている。
よく見るとその木材は「10:38」と読める。
できたかと思うと、すぐに次の形を作り始める。「10:39」。できたかと思うと、また…、延々と作業は続く。
彼らが作り続けているのは「時間」だ。
24時間かけて撮影したという本作品は淡々と進む工事風景とは裏腹に「時間は止められない」という真実を強烈に訴えかけてくる。時間概念のビジュアライゼーション手段としては他の展示でもあった「朽ちる」という手段もあるが、この「作り続ける」という方法も面白い。「朽ちる」が受動的表現とすれば、これは激しく能動的な表現だ。
ところで、一番大変な工事工程はどの時間だろう?「19:59」→「20:00」?
もっとありそうだな…。
■「STEREO SHADOW」五島 一浩

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自分の影がなんともシンプルな仕掛けで立体的に見える。
白い部屋の中には青と赤の電球がちょっと間隔をあけて立ててある。白い壁には当然自分の影が映るが、2つの電球の位置がずれていることで影もちょっとずれて赤い部分と青い部分ができる。
これを入口で渡される赤青メガネで見ると自分の影がなんとなーく立体的、というか何だか変な風に見えるという寸法だ。
この作品は何しろ2つの電球を話して置くだけというシンプル極まるローテクな仕掛けが魅力。
■「levelHead」Julian OLIVER

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反対に最近話題(?)のAR(Augmented Reality/拡張現実)を活用した作品がコレ。カメラに2次元コード付きの箱を移すと箱の中に部屋が現れる。部屋の中には人がいて、箱を傾けると歩き出す。人をうまく誘導して各部屋を探索し、脱出するというゲームだ。ARを活用したものには電脳フィギュア「ARis(アリス)」などがあるが、ARをゲームのインタフェースとして自然に活用している点が面白い。
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難を言えば、カメラに向かい合う形で箱を映してプレイしていたので画面に対して手前に傾けたい時、手前に傾けると画面では奥に傾けることになってしまった。ただ、これはカメラも手前から映すようにすれば問題ないはず。そうすれば、より直観的に箱を動かすことができるので面白さも違ってきそうだ。
■「Gyorol」Gyorol制作チーム

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携帯電話を釣りざおにして釣りができる。
QRコードを読み取ってアクセスし、名前を入力すると携帯の画面と会場に映し出された池に浮き(名前付き)が現れる。タイミングを合わせてボタンを押すと釣れる。釣った魚は携帯の壁紙にもできる。
携帯での操作が会場の池につながっている感じがよい。
le="font-weight: bold;">■「TENORI-ON(テノリオン)」岩井 俊雄/「TENORI-ON」開発チーム

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16×16の押しボタンLEDを使って奏でる音楽デバイス。エンターテイメント部門の大賞を受賞した。日本発売前の2007年12月にイギリスから個人輸入して持っているのだが、なかなかうまく演奏できない。一部はニコニコ動画にアップしてたりする。
なんとなくいじっているだけでも演奏した気になれる。「音楽を聞くことが好きな人のための楽器」として、ちょっと能動的に音楽を楽しめるのが面白い。ちなみに僕が持っている楽器はTENORI-ON(YAMAHA)、KAOSSILATOR(KORG)、DS-10(KORG)、テルミン(大人の科学付録)など。なんか普通の楽器がないな…。あ、高校生の時買ったV50(YAMAHA)もあった。
本サイト運営者が運営しているというか少々放置気味の非公式ファンサイトは以下に。
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イベント総評:とてもおもしろかったです♪

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