調査会社のニールセンによれば、現在の米国におけるオンラインビデオの視聴人口は約1億4500万人と従来型テレビの約半数になったが、視聴時間ではまだまだ及ばず、テレビの週33時間弱に対してオンラインビデオはわずか27分だという。この要因のひとつとして受動的か能動的かという視聴スタイルの違いもあるだろう。従来型テレビはチャンネルをあわせておけばあとは受動的に観るだけだ。対してオンラインビデオは検索や興味のあるカテゴリから「観にいく」能動的なスタイルが中心だ。この違いはそれぞれの特徴であり、強みになっている。

 しかし、最近はオンラインでも受動的なスタイルをとるサービスが増えてきた。TwitterやFacebookでおなじみのタイムラインのように「情報が向こうからやってくる」状態だ。オンラインビデオ系ではニコニコ生放送のニコ生クルーズがそれにあたる。他に国内ではZOZOTOWNがユーザーの購買情報をタイムラインのように表示し、興味を喚起している。海外では女性ユーザーを中心に急激な伸びを示すオンラインピンボード「Pinterest」やデザイン系ECサイト「Fab.com」などが、お気に入り登録や購買などの動きがあったコンテンツの画像を時系列でレイアウトしたページを設けている。いずれの例も次々に変化するコンテンツを受身で眺め、気になったものがあればクリックして掘り下げるという、新たなコンテンツ消費スタイルがユーザーを引きつけている。「リアルタイム」全盛の昨今、こうした手法はこれからも広がっていきそうだ。

(本記事は「東京IT新聞」に寄稿させていただいた記事の元原稿です。許可を得てアーカイブとして本誌掲載の1週間後を目処に掲載しています。本誌は画像付きですが、こちらはテキストのみの掲載になります。)

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