いのちの食べかた [DVD] | |
おすすめ平均 人間の業を見せつけられました 何度観ても良いです みんな見るべき 世界の人々に見てほしい ショッキング!! by G-Tools |
「いのちの食べ方」(原題「OUR DAILY BREAD」)をDVDで観た。なかなか知ることができない、自分達が普段食べている食材がどのようにして出来ているかを知ることが出来る。
構成はシンプルで、ナレーションもキャプションも、関係者へのインタビューも無い。牛・豚・鶏・魚・野菜がどのように「生き物」から「食材」になっていくかが実際の仕事場の映像だけを通して語られている。シンプルであることに加え、各シーンは十分すぎるほどの長さがとってあるため、考えながら観ることができる。また、インタビューやナレーションを排除したことは映像の解釈に対してなんらかのバイアスを与えてしまうことも防いでいるという点で、本作品に適した演出だと思う。
本作品にはさまざまな「食材」が出てくる。が、「魚」や「野菜」はそのオートメーション化ぶりや規模の大きさに驚くのに対して、「豚」や「牛」の現場はやはり少なからずショッキングだ。これはもちろん「残酷」という意味ではないが、こうした映像のためか本作品は12歳未満禁止のR指定がされている。ただ、作品の位置づけからするともっと早期に見せたほうがいいのではとも感じた。
さて、本作品には予告トレーラーやインタビューなどの特典映像も付いているのだが、本編の良さに比べ、特典映像はちょっとひどい・・・。予告トレーラーは安易なBGMが付けられ、本編の雰囲気と不釣合いなほど大きいゴシック体でキャプションが付けられている。観客を呼ぶためにある程度は仕方ないのかもしれないが、それを差し引いてもいただけない。
監督へのインタビュー映像はもっとひどい。屋外のテラス席のような場所で家庭用ビデオカメラで映したような映像で、アングルなどはまったく考えられていない。インタビューの途中でがさごそとカメラ位置を変えたりしている。音も撮影時のままで同時通訳のため、聞き取りにくい。画面にテキストを起こすくらいしてもよさそうだが、それもない。このあたりは発売元もわかっているようで、インタビューの最初に謝罪のようなメッセージがでるが、「これが特典映像!?」と思ってしまうものだった。インタビュー自体は興味深いだけに本当に惜しい。
繰り返すが本編は良い。
解釈を加えずに食べ物の「本当」だけを見せてくれるこの映画は、観る者にさまざまな思考の素を提供する、まさに「知の食材」といえるのかもしれない。
ところで2009年4月18日(土)~4月24日(金)までの1週間、東京・渋谷でリバイバル上映を行うらしい。詳しくは公式ブログにて。
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